再生少女一章
そうでしょうそうでしょう。
この瞬間のために仕事してるよーなものなの。
ご主人ーーッ
再生終わりましたァァ
ましたァァ
ましたァァ
はい?
ですからァー、作業が終わったンですぅー。

えええ?
誰って……、私ですぅ、十三夜月ですうう。
ココでもう3年も働いてるぅう。
あ。 ごめんなさい。
大声を出してしまって。
ご主人は、もうお年なので少し耳が遠いの。
紹介するわ。
この人が、このリサイクル施設の、ご主人よ。
ああ、そうだわ。先程の、ほら、再生器械。
あのとんでもなくすばらしい器械を作ったのは、このご主人なのよ。
ご主人は、稀少の天才と呼ばれるすばらしい研究者なの!
私が、この世で、いちばんに尊敬する人なの!今だって、彼は研究を続けているのよ!
……え?
「この彼が、本当に、そんなに尊敬するほどのすばらしい研究者なのか」
……ですって?
本当よ。
たしかに、ご主人はもう歳をとって、物忘れがひどくて、もう3年も住み込みでお世話をしている私のことですら、思い出せないことが多々あるわ。
でも、お客さまだって、あのすばらしい再生器械をご覧になったでしょう?
動かぬ証拠よ、アレが。
そうそう、あの再生器械は、他にも色々なものを再生できるの!
もちろん、ペットボトルから繊維も作れるし、空き缶から大豆やお米を作ることもできるのよ!
ね?
すばらしいでしょう?
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