再生少女三章
よいしょ……っと。





















ああ、重かった。
コンピュータ本体って重いわね。
やっと施設に戻って来ることができたわ。ふう。
お客さまも、おつかれさま。
今日もあのお嬢サンがお手伝いしてくれたおかげで、たくさんの古いパソコンが集まったわ。再生が楽しみだわ。うふふ。
……?
お客さま……?
どうかしたの?
お疲れかしら?
それとも、私、何か失礼なこと、したかしら……?
……もしかして、あのコのこと?
あの再生少女のこと?
さっき、お嬢サンのために犠牲になって肉食植物にバリバリグシャグシャ食べられてしまったあの再生少女のこと?
お客さまも
やっぱり
あのコがかわいそうだと
思っているのね。




お客さま。
あのコは、アルミ缶から再生した少女なのよ。
ここは、リサイクル施設なのよ。
再生をくり返すところなの。
無限ループなの。
消費したらまた再生して、再生したらまた消費するのよ。
くり返すのよ。
しかたないの。
しかたないのよ。
それに……
……
……
あ……、まだ仕事の途中だったわね。
再生室に行きましょう。
お客さま。
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